🤗 文・毛賀澤明宏 「農泊」を取り巻く状況 近頃、地域づくりの現場で「農泊」という言葉がさかんに使われている。 ドライブスルーには上伊那の飲食店26店舗が参加していて、店で提供している弁当などを出品しました。 背景には、この10年の間に、都会暮らしの人々の間に驚くほどのスピードで広がった「田舎暮らし」への憧憬がある。
16「コト消費」論の欠陥 だが、農業体験や食体験・暮らし体験を受け入れる体制をどのようにして構築するかという核心問題を、脇にどけた、あるいはその領域は当該の自治体や農家・農業団体に実は任せっきりの、「農泊」による地域づくりプランなどというものがありうるのだろうか? 農業体験を受け入れることについて一歩踏み込むならば、これまでの農業経営(産地型とか地産地消型とか)に加えて(あるいはそれに換えて)、新たに体験型農業に踏み出す、経営上の利点や技術上の課題、なにより新たな形の農業を進める主体の大きさや組織形態などについての展望を見出さなければならないだろ う。
😎 しかし、「農泊」の重要なファクターである農業体験や田舎暮らし体験、農家民泊などは、ここ数年のうちに新たに始まったものではなく、既に10~20年にわたり何度も繰り返し試みられてきたことだ。 特に、先に述べたような中央の大手企業が、国の「農泊」補助金や「地方創生」交付金を獲得する(そのための申請をする)こともセットにして、「農泊を軸にした町づくり・村づくり」のプランを提示してくるのに対して、提示されたプランを吟味する視点も不明確なまま、時によっては内容検討をすることもないまま、まるで飛びつくようにそれに乗ってしまう市町村が少なからず存在している。 しかし、それを、少しは収益性がある継続可能な事業に成長させていく方法や発展方向性が明確にならないために、次第に受け入れに疲れてしまったというのが偽らざる現状なのである。
「モノではなくコトを売れ」は、モノを作る時間や過程を共有する、一緒に「コト」をつくる側から言われているのに対して、「コト消費」という言葉は、時間を共有する「コト」さえも「消費」の対象として「モノ」化して扱っている。
👐 もちろん、大手企業の地域サポート事業のすべてを十把一絡にして「地域を疲弊させるものだ」というつもりはない。 その他の特集• だがここで言われる「コト消費」は先に述べた「コトを売れ」の意味とは大きく異なっているように思う。 その他の特集• また、別のB村で見た、Y情報関係業社の「農と観光の村づくり」の企画書では、農家が観光客を受け入れ、農作業をしたり田舎暮らしを楽しんだりする領域については、ほとんどすべて、「協力をお願いしたいこと」と称して農家や農業団体に企画運営を丸投げしていた。
6都会の人が喜ぶのは知っている。
🤫 しかし、一部の成功例を除けば、ほとんどの地域で頭打ち状況になり、継続しきれなくなってきた取組みなのであ る。
11Y社は、「この村の観光資源を発掘し、つなぎ合わせ、セットにして魅力を引き出して対外的に発信すること」が主要業務で、実際の「観光資源」を作り出すことは、その「地域」の人々の業務領域という線引きがなされているというわけだ。
👐 確かに、初めて農業体験を受け入れようとしている農家には、自分たちが思いもよらない所に都会の人は魅力を感じるのだということを知ることも大切なことであろう。 受け入れ側の自分たちもその時には楽しいことは分かっている。
16また他方で、人口減少から集落「消滅」へ進むと指摘された地方の自治体や住民の危機感もある。
🐝 また、予約なしでも料理が購入できるよう当日販売も行われ、キッチンカー12店舗が並びました。
15だが、特産果樹収穫体験を以前より受け入れてきたこの町で、農作業の繁忙期に初心者の世話を焼かなければならないことに伴う困難性や、その割には収益が少ないがゆえに継続する意欲がわかなくなっている現状をどのように打開するかの分析や提案は欠落していた。